今食べているドッグフードのタンパク質って愛犬に足りているのかな?愛犬にとって必要なタンパク質の量を知る方法が知りたいな。
こんなお悩みにお答えします。
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この記事ではAAFCO(米国飼料検査官協会)の推奨するタンパク質量をもとに、ペットフーディストの知識を交えながら愛犬に必要なタンパク質量を簡単に計算する方法をご紹介します。
ドライフードを与えている場合、愛犬が実際にどれくらいタンパク質を摂取しているのか、具体例を入れてわかりやすく解説しています。
この記事の内容
- 1日に必要なタンパク質量の計算方法
- ドライフードから摂取できるタンパク質の計算
- タンパク質量別おすすめドッグフードを紹介
今回紹介する計算式を知っておくことで、愛犬に適したドッグフードの選択が可能になり、体調管理がしやすくなるので飼い主さん必見の内容となっています。
犬が1日に必要とするタンパク質の計算方法
ワンちゃんが1日に必要とするタンパク質量の計算式はコチラ
1日の必要摂取カロリー×0.045(g)
AAFCOのガイドラインでは成犬の場合、食事1,000kcalあたり最低45gのタンパク質を摂取することが推奨されています。
これは、1kcalあたり0.045gのタンパク質が必要ということになります。
例えば、1日の必要摂取カロリーが300kcalの成犬がいたとすると
330kcal×0.045(g)=14.85g
この成犬は1日に14.85gのタンパク質が必要となります。
この計算式を使うには愛犬の必要カロリーを知っておかないといけません。
次でくわしく説明します。
まずは愛犬の必要摂取カロリー(DER)を計算
1日の必要摂取カロリーは、以下の計算式で求められます。
(体重×体重×体重)√√×70=RER
RER×活動係数=DER(1日の必要カロリー)
RERとは何もせずにじっとしているだけで消費するエネルギー量のことで人間の基礎代謝みたいなものです。
それに活動量や体型などを数値化した活動係数をかけると1日の必要カロリー(DER)が出せます。
まずはその子の基礎代謝(RER)を計算
例題
- 5歳成犬のMダックス(5kg)
- 体型:普通
- 運動量:毎日散歩に行く程度
- 手術歴:避妊・去勢済
- 環境:室内で生活
まずはRERを計算します。
RERは(体重×体重×体重)√√×70という公式を使うので
(5×5×5)√√×70=234(RER)
となります。
アイフォンであれば画面を横にすると以下のようになります。
√は2回押してね。
√の計算ができないときは早見表を参考にしてください。
※クリックすると開きます。
RER早見表
体重 | RER | 体重 | RER |
---|---|---|---|
1kg | 70 | 1.5kg | 95 |
2kg | 118 | 2.5kg | 139 |
3kg | 160 | 3.5kg | 179 |
4kg | 198 | 4.5kg | 216 |
5kg | 234 | 5.5kg | 251 |
6kg | 268 | 6.5kg | 285 |
7kg | 301 | 7.5kg | 317 |
8kg | 333 | 8.5kg | 348 |
9kg | 364 | 9.5kg | 379 |
10kg | 394 | 10.5kg | 408 |
次に活動係数をかけるのですが、活動係数は以下の一覧表を参考にしてください。
例のMダックスは去勢避妊済なので活動係数は1.4となります。
計算すると・・
(5×5×5)√√×70=234(RER)
234×1.4=327.6kcal(DER)
この5kgのMダックスには1日約328kcalが必要となるわけです。
RERやDERの計算については以下の記事でくわしく紹介しています。
>>愛犬に必要なカロリー計算とドッグフードの食べる量がわかる計算式を解説
ライフステージや活動量で必要タンパク質量は変わる
必要タンパク質量はライフステージや活動量によって変わります。
成犬は1,000kcalあたり45gでしたが、1歳未満の子犬(成長期)と妊娠・授乳期の最低タンパク質量は1,000kcalあたり56.3gとされています。
つまり1kcalあたり0.0563gという計算です。
子犬が体の大きい成犬よりタンパク質が多く必要とするのは、体が大きくなる成長期であるため多くのタンパク質が必要となります。
活動係数も成犬に比べて高くなるので、多くのタンパク質が必要となります
例
- 生後4~9ヶ月のMダックス
- 体重:3kg
- 活動係数:2.5
計算すると1日に必要なカロリー(DER)は約399kcalになります。
次にタンパク質量を計算すると・・
399kcal×0.0563g=22.46g
生後4~9ヶ月のMダックスは1日に約22.5gのタンパク質が最低でも必要になります。
さきほどの成犬Mダックスの場合は14.67gが最低量だったので、ライフステージだけでこれだけ違ってきます。
犬種や年齢、活動量、環境や体型で活動係数は変わるため、計算をして愛犬に必要なタンパク質を把握しておきましょう。
活動係数が変わると必要なタンパク質量も変わります
食べているフードからタンパク質量を計算する方法
実際に食べているドッグフードから摂取しているタンパク質を計算するときは乾物値を知る必要があります。
ドッグフードの裏面を見るとタンパク質含有量が記載されていますが、これは水分を含んだ状態のタンパク質含有量なので〇〇%以上と記載されています。
乾物値(水分除去)の計算方法
乾物値は以下の計算式で求めることができます。
成分値(%)÷(100%−水分含有量%)×100=乾物値
保証分析値のタンパク質は23.9%以上、水分10%以下なので、
23.9%÷(100−10%)×100=26.55%
タンパク質の乾物値は100gあたり約26.6%となります。
この乾物計算を知っておくと、水分含有量の違うドッグフードを比較する際にも使えます。
A:タンパク質20%以上 水分10%以下のドライフード
B:タンパク質6%以上 水分80%以下のウエットフード
どちらがタンパク質が多いと思いますか?
見た目はAだけど・・・
計算すると・・
A:20%÷(100-10%)×100=22.2%
B:6%÷(100-80%)×100=30%
Bのほうがタンパク質が多いということがわかります。
タンパク質が少なそうに見えても、水分を除去しないと実際のタンパク質量はわかりません
タンパク質量を知りたいのであれば乾物計算が必要です。
ドライフードのタンパク質摂取量を計算
筆者が愛用しているヤムヤムヤムのドライチキンを例に計算していきます。
以下のワンちゃんに与えるとします。
- 5歳成犬のMダックス(5kg)
- 最低タンパク質量は15g
- 1日に必要なカロリーは約328kcal(DER)
このMダックスに適した1日のドッグフードの量は
328kcal(DER)÷348kcal×100=94.2g
約94gになります。
ヤムヤムヤムのタンパク質を乾物計算すると26.6%になるので94g与えた場合、
94g×26.6%=24.44g
となります。
このドッグフードは愛犬のタンパク質量を十分に満たしていることがわかりました。
今回はドライフードを例にしましたが、ウェットフードやセミドライフードでも同じ計算で必要なタンパク質を知ることができます。
タンパク質が多いか少ないかは体重の増減が一つの判断基準になります。
間食をせずに適量を与えて体重が増えるならタンパク質が多すぎる可能性があります。
犬にとってのタンパク質の重要性
犬にとってタンパク質は体を作るうえで重要な働きがあります。
タンパク質の役割
- 筋肉の形成や修復
- 美しい毛皮や皮膚の維持
- 酵素やホルモンの生成
- 免疫力向上
- 成長とエネルギー源
十分なタンパク質があれば筋肉が強くなって活動的になるほか、毛の健康や免疫力の強化にもつながります。
これらの理由から、犬の食事には適切な量のタンパク質が含まれていることが重要です。
多すぎても少なすぎてもダメ。適量が大事
タンパク質が不足するとみられる体のサイン
タンパク質不足すると以下のような症状がでてきます。
- 筋肉量の減少
- 成長不良
- 抜け毛が多くなる(脱毛)
- 毛並み、皮膚状態の悪化
- 免疫力の低下
- 体重減少と栄養失調
犬にとっては健康的な生活を維持していくうえでタンパク質は必要不可欠。
とくにタンパク質が不足すると毛並みや毛艶は悪くなるので確認はしやすいでしょう。
タンパク質が足りてると毛先まで栄養がいっているので毛艶や皮膚状態がよくなります
タンパク質が過剰になると体にダメージ
それにタンパク質の過剰摂取にも注意が必要です。
- 腎臓や肝臓への負担
- 消化不良
- 多飲多尿
- 肥満
- アレルギーのリスク
タンパク質を過剰に摂取することは、腎臓や肝臓に負担をかけ、腎臓病や肝障害の可能性を高めることがあります。
それによって消化にも問題が生じ、下痢やガスが多くなることがあります。
余分なタンパク質を処理する過程で、体はより多くの水を必要とし、結果として多くの水を飲み、頻繁に尿を排出することになります。
これは脱水を引き起こすリスクを増加させます。
また、使われないタンパク質は脂肪として体内に蓄積されるので肥満の原因にもなります。
さらに、タンパク質の摂取量が多すぎると、アレルギー反応を起こすこともあります。
少なすぎても多すぎても犬にとってはよくないので適量が大事です。
愛犬に合ったタンパク質量を把握することが重要
良質なタンパク質を選択しよう
タンパク質の適量摂取と同じくらい重要なのが、タンパク質の質です。
質の良いタンパク質とはアミノ酸スコアが100に近いものを指します。
- アミノ酸スコアとは
- 食品中の必須アミノ酸のバランスを評価するための指標です。
アミノ酸スコアは、0~100で表され、100に近いほど、必須アミノ酸がバランス良く含まれている食品です。
必須アミノ酸は、体内で生成できないアミノ酸なので食べ物から摂取しないといけません。
カラダのなかで「タンパク質」を作るために欠かせない栄養素なので必須アミノ酸は必要不可欠になります。
動物性食品 | アミノ酸スコア | 植物性食品 | アミノ酸スコア | 第一制限アミノ酸 |
---|---|---|---|---|
鶏肉 | 100 | 大豆 | 100 | ー |
牛肉 | 100 | とうもろこし | 74 | リジン |
豚肉 | 100 | じゃがいも | 68 | ロイシン |
鶏卵 | 100 | 精白米 | 65 | リジン |
魚類 | 100 | 小麦 | 44 | リジン |
特に動物性タンパク質はアミノ酸スコアが100に近いので質が良いとされます。
第一制限アミノ酸がある食品は、足りないアミノ酸を他の食品で補う必要があるので摂取する量も多くなります。
質の良いタンパク質は栄養の消化吸収に優れ、少量で必要なタンパク質を摂取できます。
量より質を重視しているのはこのため
ドッグフードに使われているタンパク質の食材
ドッグフードは主にチキン、ターキー(七面鳥)、ビーフ、フィッシュ、ラム、鹿、馬が使われます。
これらの食材はアミノ酸スコアがすべて100で消化吸収率が良いなどの特徴があります。
タンパク源 | 特徴 |
---|---|
チキン | 消化吸収率が高く低脂肪で高タンパク質。 |
ターキー | 低脂肪・低カロリーで、ダイエット中の犬にも適している。 チキンアレルギーを持つ犬の代替として利用できる。 |
ビーフ | 風味豊かで食いつきが良い。脂肪分も多い |
フィッシュ | 消化吸収率が良く、アレルギーを起こしにくい。 DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が豊富で、皮膚や被毛の健康、脳の発達に役立つ。 |
ラム | 脂肪燃焼に有効なLカルニチンを含み、ダイエットしたい犬にオススメ。 消化吸収率が高く、アレルギーを起こしにくい。 |
鹿 | 低脂肪で高タンパク質。クセも少なく食べやすい。低アレルゲン食材 |
馬 | 低脂肪で高タンパク質。低アレルゲン食材だが希少価値が高く単価も高い。 |
タンパク質量別おすすめドッグフード
ここではタンパク質の品質にこだわりがあるメーカーを中心に紹介します。
- 高タンパク:ACANA(アカナ)
- 中タンパク:yumyumyum!( ヤムヤムヤム)
- 低タンパク: OBREMO(オブレモ)
どれも食材にこだわりがありワンちゃんの食いつきは良いです。
価格は安くないですが、愛犬の健康のことを考えたら決して高くない買い物といえます。
実際にわたしが愛犬に与えていたものばかりを紹介させてもらいました
ACANA(アカナ)
運動量が多く、あまりごはんを食べてくれないのであれば高タンパクフードがおすすめ。
アカナは食事に対するこだわりがあり、犬の特性にあった配合でタンパク質を含んでいます。
- メリット: 高タンパク質で、活動的な犬やタンパク質の多い食事を必要とする犬に最適です。
- デメリット: タンパク質が多いので運動量が少ないと肥満になりやすい。
栄養バランスがよく肉含有量は60%以上で新鮮な地元産の肉を使用しているというこだわり。
タンパク質は30%以上は配合されていて、肉多めのドッグフードを求めている飼い主さんにピッタリ。
トップクラスの質と安全性
yumyumyum!( ヤムヤムヤム)
20~25%程度のタンパク質量を求めているならヤムヤムヤム。
タンパク質は23.9%前後でチキン、馬、マグロの3つの味と固さも2種類(ドライ、やわらかドライ)から選べれます。
小型犬が食べやすいサイズで、一番人気のチキンは九州産の若鶏生肉を使用した高い品質が特徴となります。
- メリット: 小型犬が食べやすく、国産の高品質な肉を使用しているため栄養価が高い。
- デメリット: 価格が高めで大型犬には費用の負担が大きくなる。
1,980円でお試しできる
香りも豊かで筆者の愛犬も食べているおすすめのドッグフードです
OBREMO(オブレモ)
活動量が少なくアレルギーがあって心配ならOBREMO(オブレモ)がおすすめ。
タンパク質は17%から22%程度で少なく、単一のタンパク質なのでアレルギーを持つ活動量が少ない犬に適しています。
- メリット: 単一のタンパク質を使用して質にもこだわっている。無料のフード診断サービスがある。
- デメリット: タンパク質含有量が低いため、活動量が多い犬には不向き。
初回半額キャンペーン実施中
無料でフード診断もしてくれるので一度愛犬に合ったものを知りたいならフード診断をしてみると良いですよ
犬のタンパク質についてのQ&A
まとめ:愛犬に必要なタンパク質を計算して健康維持に努めよう。
この記事では、愛犬が1日に必要なタンパク質の量を計算する方法と、ドライフードを通じて犬が実際にどれくらいのタンパク質を摂取できているかを紹介しました。
成犬のタンパク質を計算するなら・・
1日の必要摂取カロリー×0.045(g)
1歳未満の子犬なら
1日の必要摂取カロリー×0.0563(g)
を使って計算しましょう。
この計算式を使えば愛犬の必要最低タンパク質量を知ることができます。
ドッグフードのタンパク質含有量を知るには、乾物値の計算が重要となります。
乾物値の計算方法は・・
成分値(%)÷(100%−水分含有量%)×100=乾物値
食べているドッグフードの量からタンパク質を求めるときは
ドッグフード給餌量(g)×乾物値(%)=摂取しているタンパク質量
今回紹介した計算方法でタンパク質の量を知ることができます。
適量のタンパク質を摂取することは、筋肉の維持、皮膚や被毛の健康、免疫システムの強化に不可欠です。
高タンパク質ドッグフードをお探しなら
中タンパク質ドッグフードを探しているなら
YumYumYum!少量のタンパク質ドッグフードをお探しなら
が良いでしょう。
愛犬に必要なタンパク質が分かればドッグフード選びも楽しくなりますよ健康的に過ごせるように質の高いタンパク質を選び適量を摂取させてあげましょう。