ドッグフードの選び方がわかりません。
何を注意してどこを見たらいいかわからないし、良いものを探し始めたらきりがないので選べれません。
こんなお悩みについてお答えしていきます。
現在フードローテーションをしながら愛犬が喜ぶドッグフードを探しています。
この記事ではペットフーディストである私がドッグフード(ドライフード)の選び方について解説しています。
[st-kaiwa1]この記事を読むことで自らが取捨選択することができるようになり、ドッグフード選びが楽しくなりますよ。
結論、ドッグフードを選ぶときは以下の8点に注意をしていきましょう。
選ぶべき8つのポイント
- 総合栄養食であるか
- ドライフードであるか
- 愛犬の年齢に適しているか
- 原材料は何を使っているか
- 成分値はどれくらいか
- 便の状態はどうなのか
- 1ヶ月で消費する量を選ぶ
- 合成添加物の少ないものを選ぶ
ポイント① 総合栄養食であるか
まずは総合栄養食を選びましょう。
総合栄養食というのは水とそのフードだけで必要な栄養素は満たしているので、健康を維持することができるというものになります。
総合栄養食の他に療法食やその他目的食(一般食・副食・栄養補完食・おかずタイプなど)があります。
総合栄養食 | 犬に必要な基本的栄養素がバランス良く摂れる |
療法食 | 特定の疾患に対応した特別な栄養バランス。 獣医師の相談が必要 |
その他目的食 | 食いつきをよくしたり、栄養をプラスするもの。単体の使用では栄養バランスが偏る |
ドッグフード選びの基本:成分表示と原材料を見て選ぶ
ドッグフードを選ぶときは以下の点を確認して選びましょう。
ポイント
- 原材料と成分表示(成分分析表)の2点を見る
粗たんぱく質と粗脂肪の量に注目
- 原材料の書き始めから3つ目までに動物性タンパク質が入っているものを選ぶ
原材料表示をごまかしていることがあるので注意
- 合成添加物が入っていないドッグフードを選ぶ
- 穀物アレルギーをもっていればグレイン・グルテンフリーを選ぶ
たんぱく質と脂質は犬の身体をつくり生命維持やエネルギー源として重要な役割があります。
犬はもともと肉食動物なので動物性たんぱく質を効率よく消化してエネルギーに変換できるようになっています。
そのため、成分表示の確認と動物性たんぱく質(何の肉)が含まれているか確認する必要があります。
[st-kaiwa1]この2点さえ理解できれば最低限自分でドッグフードを選ぶことができます。
成分表示(保証分析値)の粗たんぱくと粗脂肪を見よう
成分表示(保証分析値)には粗たんぱく質・粗脂肪・粗繊維・粗灰分・水分の5つが書かれています。
この中の粗たんぱく質と粗脂肪を主に見ていきます。
粗ってどういう意味
粗っていうのはおおよそとかだいたいの意味です。
例えば粗たんぱく質の場合、たんぱく質の他に窒素やそれ以外のものが含まれています。
純粋なたんぱく質ではないので粗と表示します。
粗たんぱく質について
たんぱく質の役割としては主に身体を作る重要な栄養素になります。
たんぱく質の役割
筋肉・腱・骨・爪・皮膚・被毛・臓器・血液・ホルモン・酵素・免疫・遺伝子
これらを生成します。
犬にとってたんぱく質は健康に生きていくうえで重要な役割があります。
このため摂取する上で必要最低限の量(基準)というものが存在します。
AAFCO 2016 基準表
粗たんぱく質の最低必要量
成長期(〜1歳)22.5%以上
維持期(1〜6歳)18%以上
※成長期は体が大きくなるので多くのたんぱく質を必要とします。
※AAFCOとは栄養基準やラベルの基準を決めているアメリカの団体でAAFCOで決めた栄養基準は世界的な基準になっています。
この基準は必要最低限の量になるのでこれ以上のたんぱく質を摂取することをおすすめします。
たんぱく質の摂取量が多い少ないで下記のような症状がでてきます。
[st-kaiwa3]結局たんぱく質は多すぎず少なすぎず適量が大事なんだね。
腎臓や肝臓の病気がある場合、高タンパク質のドッグフードは病気を悪化させるリスクがあると言われています。
病気がある場合のフード選びは獣医師に相談することをオススメします。
たんぱく質の適量ってどれくらいが良いの?
犬種、年齢、運動量、ライフステージでたんぱく質の量は判断していきたいな。
以下の場合、たんぱく質は多めに摂ってほしい。
チェック
成長期・妊娠・授乳期・運動量が多い・減量中・心臓病・悪性腫瘍
ドッグフードに含まれるたんぱく質はどれくらいが多いのか、少ないのか気になりますよね。
筆者がいろいろドッグフードの成分表示を見てまわった結果を表にしてみました。
栄養成分 | たんぱく質 | 脂肪(脂質) | カロリー |
高い | 27%以上 | 16%以上 | 380kcal以上 |
普通 | 22%〜26% | 12%〜15% | 340~360kcal |
低い | 21%未満 | 12%未満 | 320Kcal未満 |
筆者がいろんなドッグフードの成分表を見て作った表なので参考程度にしてください。
栄養成分の高いとか低いとかはパッケージに書かれている高たんぱくや低脂質と表示されているものを参考にしています。
我が家の愛犬に必要なたんぱく質量は?
[st-kaiwa1]愛犬を例に必要なたんぱく質量をみていきたいと思います。
チェック項目
- 小型犬(ミニチュアダックスフンド)
- 避妊手術をしている
- BCS4で軽度肥満
- 病気はない
- 運動量は普通
きなこは小型犬であり避妊手術をしており活動量も活発ではないのであまり多くのたんぱく質は必要ありません。
この場合普通量(約22%〜26%程度)程度で良いかと思います。
少し肥満傾向なのでダイエットを考えているのであればたんぱく質の量は26%ほどで良いかと思います。
[st-kaiwa1]たんぱく質が多いドッグフードは脂肪も多くなる傾向になるので粗脂肪の量も同時に見ていきましょう。
高タンパクで高脂肪のものはおいしいものが多いんだ。
だから食べ過ぎちゃうし太りやすくなっちゃうから注意をしないとね。
愛犬がフードを食べ続けていて体型が変わったことがあれば給与量やおやつの量を気にしてみましょう。
その場合は以下の記事を参考にしてみてください。
》愛犬の1日のフード給与量は?カロリー計算式を使って簡単に計算しよう。
粗脂肪について
脂肪(脂質)の役割は主にエネルギーと生理機能の維持に使われます。
脂質の役割
- 活動するためのエネルギー源
- 脂溶性ビタミンの吸収促進
- 細胞膜を作る
- ホルモン、胆汁酸の合成
- 内蔵保護、体温調整
内容は難しいですが犬にとって脂肪は元気に活動するために必要な重要なエネルギー源となっています。
脂肪に関しても最低必要量の基準があります。
AAFCO 2016 基準表
粗脂肪の最低必要量
成長期(〜1歳)8.5%以上
維持期(1〜6歳)5.5%以上
※成長期は体が大きくなるので多くの脂肪を必要とします。
この基準は必要最低限の量になるのでこれ以上の粗脂肪を摂取することをおすすめします。
[st-kaiwa1]脂肪はたんぱく質や糖質などよりも消化しやすくて
体が優先的にエネルギーとして使ってくれるんだよ。
脂肪の摂取量で以下のような症状が出やすくなります。
やはり脂肪(脂質)においても愛犬の適量を見つけていく必要があります。
[st-kaiwa1]ドッグフードに含まれる脂肪の量が多いと嗜好性を高める効果があるのである程度の脂肪量は必要になってきます。
過剰摂取は肥満の原因になるので愛犬の体型をみながらドッグフードを選んでいきましょう。
愛犬の体型を知るにはBCS(ボディ・コンディション・スコア)を参考にしましょう。
[st-kaiwa1]BCS3に近づけるにはBCS1〜2は脂質多めBCS4〜5は脂質が低めのものを目安に選んでいきましょう。
これ以外にもライフステージや健康状態によって脂肪の量を調整する場合があります。
[st-kaiwa1]脂肪は効率の良いエネルギー源です。
体力を多く必要とする場合は摂取量が多くないと元気がなくなってしまいます。
脂肪の量を知りたい場合は以下の表を参考にしてみてください。
栄養成分 | タンパク質 | 脂肪(脂質) | カロリー |
高い | 27%以上 | 16%以上 | 380kcal以上 |
普通 | 22%〜26% | 12%〜15% | 340~360kcal |
低い | 21%未満 | 12%未満 | 320Kcal未満 |
筆者がいろんなドッグフードの成分表を見て作った表なので参考程度にしてください。
栄養成分の高いとか低いとかはパッケージに書かれている高たんぱくや低脂質と表示されているものを参考にしています。
このことから犬種、年齢、運動量、ライフステージ、体型で粗脂肪の量を決める必要があります。
我が家の愛犬に必要な脂肪量は?
[st-kaiwa1]愛犬を例に愛犬に必要な脂肪(脂質)の量をみていきたいと思います。
チェック項目
- 小型犬(ミニチュアダックスフンド)
- 避妊手術をしている
- BCS4で軽度肥満
- 病気はない
- 運動量は普通
少し肥満傾向です。
避妊をしていているので代謝が落ちやすく太りやすくなります。
毎日散歩に行っていて活動量も普通なのですが、肥満傾向にあるので12%未満の脂肪量で良いかと思います。
[st-kaiwa1]ダイエットを考えているのであれば高タンパク・低脂肪のものがオススメです。
愛犬がフードを食べ続けていて体型が変わったことがあれば給与量やおやつの量を気にしてみましょう。
その場合は以下の記事を参考にしてみてください。
》愛犬の1日のフード給与量は?カロリー計算式を使って簡単に計算しよう。
原材料は最初から3つ目までをよく読もう
原材料はフードに多く含まれている順番に記載されています。
書き始めから3番目までに動物性タンパク質があるか確認しましょう。
[st-kaiwa3]なんで動物性タンパク質が重要なの?
犬はもともと肉食動物だから動物性タンパク質を効率よく消化吸収できるようになっているんだよ。
動物性たんぱく質 | 植物性たんぱく質 |
肉、魚、卵、乳製品 | 野菜、豆類(大豆など)、穀類 |
原材料の肉については【肉類】【副産物】【ミートミール】【家禽(かきん)ミール】と表示されているものよりも【チキン】【ラム】【ビーフ】など何を原材料にしているか明確に表示しているものを選びましょう。
内蔵でも【内臓類】ではなく【肝臓】【心臓】など種類がはっきりしているものを選びましょう。
[st-kaiwa3]よくミートミールや家禽(かきん)ミールが良くないって目にするけど実際どうなの?
ミールって悪いイメージがあるけど効率よくタンパク質を摂取できるというメリットもあるんだ。
大切なのは、それを理解した上で、何を優先してドッグフードを選ぶかだよ。
ミールも何の肉なのか情報開示してくれているメーカーのものを選んでいきたいね。
ミールって何?
ミールとは簡単にいうと肉を乾燥させて粉状にしたものになります。
■家禽ミール
家禽とは、肉・卵・羽毛などを利用するために飼育する鳥の総称。
家禽ミールとは、清潔な家禽の一部もしくは丸鶏(骨の有無は問わない)と皮を※レンダリングして乾燥させたもの。羽毛、頭、脚および内臓は含まない。
■ミートミール
哺乳動物の組織から※レンダリングして得られた原材料。血液、毛、蹄(ひづめ)、角、皮、糞尿、胃および第一胃の内容物を含まない。牛、豚、羊、ヤギそれ以外の哺乳類でも良いとされています。
ペットフーディスト養成講座より引用
※レンダリングとは・・・
クズ肉、皮、スジ、骨など食用にならない部分を加工し油脂を抽出する加工のこと。
家禽ミールでは鶏だけ使用しているものはチキンミール、七面鳥だけであればターキーミールと記載されます。
ミートミールも同様、牛だけ使用していたらビーフミール、子羊だけならラムミールと記載できます。
ミールはレンダリングされた肉類の絞りカスが乾燥・粉末化されて肉骨粉や肉粉、副産物となってペットフードに利用されているものになります。
[st-kaiwa3]肉の絞りカスを使っているなんてショックだ。
確かに内容を見ると絞りカスかもしれないけれどミールにもメリットがあるんだよ。
メリット・・・生肉よりもタンパク質が凝縮している
デメリット・・肉の旨味・香りが熱処理で飛ぶので味が落ちる
ミールを使ったドッグフードは約2回高温加熱処理を行うため肉の旨味が飛んで味が落ちてしまうというデメリットがあります。
それを補うために粒表面に嗜好性を高めるコーティングをしています。
ミールを使っているドッグフードはたくさん売られていますが、注意してほしいのは肉類、副産物、ミートミールなど何の肉を使用しているかわからないものになります。
特にミートミールで問題となっていたのは4Dミートです。
4Dミートとは
・DEAD(死んだ動物の肉)
・DISEASED(病気の動物の肉)
・DYING(死にかけの動物の肉)
・DISABLED(障害がある動物の肉)
AAFCOの定義の中に説明はないので絶対に使われていないという保証はありません。
原材料を見ても4Dミートなんて記載はないので避けたい場合は【肉類】【副産物】と表記しているもの、安価なドッグフードを選ばないことが無難と思われます。
[st-kaiwa1]ミールを選ぶ場合は何の肉か表示されているものや出しているメーカーのサイトで説明されているものを選んでいきましょう。
そのほうが消費者としては安心です。
原材料表示の順番をごまかしていることがある
同じ原材料でも名称を変えて数種類にわけることで原材料表示の順番を下げて記載されているフードもあります。
こうすることで好ましい原材料の順番を上に上げることができるからです。
以下の表を例に説明します。
これを見るとチキンが多く使われていますが実際は小麦が多く使われているドッグフードになります。
原材料の分類順に並べると・・・
分類順に並び替えると小麦粉が一番多く含まれているということがわかります。
これは偽造ではありませんが実際に同じような原材料の割合を分けて肉類を多く見せるメーカーも存在するので原材料はしっかりと確認しておく必要があります。
添加物について知ってほしいこと
添加物は身体に悪いものという認識がありますが食品添加物は科学的に安全性と有効性が証明されています。
人の食品の基準や家畜の飼料基準に準じて使用されています。
添加物の役割
足りない栄養素を補う
ドッグフードが傷まないようにする必要がある
ドッグフードの原材料だけでAAFCOの栄養基準を満たすことはできません。
AAFCOの基準を満たすにはビタミン・ミネラルなどを添加物を補う必要があります。
ドライフードは脂質を含んでいるので酸化しやすく風味、味が落ちてしまいます。
酸化でフードを傷まないように使われているのが酸化防止剤になります。
[st-kaiwa1]酸化した食品は健康に害を与えます。
添加物に関しては多く含まれている順番で表示しなくて良いとされています。
これはペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規約では添加物以外の原材料は、使用量の多い順に記載すると定められているからです。
[st-kaiwa1]添加物に関しては実際にどれが多く使われているかわからないんです。
添加物には安全性に疑問のある合成添加物があります。
これらが含まれているドッグフードは避けたほうが安心ですが、保存期間を長くするといったメリットもあります。
またドッグフードの保存期間を長くするのに必要な酸化防止剤は自然派のものがオススメです。
自然派の酸化防止剤
ミックストコフェロール(ビタミンE)、ローズマリー抽出物、アスコルビン酸(ビタミンC)、クエン酸
自然派の酸化防止剤は使用しているドライフードの場合、長期間の保存には向かないため1ヶ月程度で消費できる量を購入することをオススメします。
[st-kaiwa3]無添加のドッグフードってどうなの?
無添加のドッグフードでも原材料のところをよく見てほしい。
パッケージに無添加と書かれていても無添加じゃない場合があるんだ。
ドッグフードは人工添加物・香料・保存料・着色料どれか1つ使ってないだけでも無添加と表示することができます。
なので【完全無添加】【100%無添加】と表記してあるもののほうがより安心です。
[st-kaiwa1]添加物に関してはいろいろな考え方があるので飼い主さんが納得したものを選べれば良いかと思います。
グレインフリー・グルテンフリーについて
グレインフリーとグルテンフリー違いは以下の通り。
[st-kaiwa3]グレインフリーのドッグフードって値段が高いものが多くない?
安いドッグフードは穀物を使ってかさ増しできるから安くできるんだ。
穀物を使ってないグレインフリーはかさ増しができないからどうしても高くなっちゃうんだ。
穀物アレルギーがある場合はグレインフリーを選びましょう。
それ以外はグレインフリーじゃなくても良いです。
[st-kaiwa3]犬は肉食だから穀物不使用のほうが良いんじゃないの?
犬はもともと肉食だけど穀物も消化できる肉食よりの雑食動物なんだ。
穀物を消化できる消化器だから穀物があっても問題ないよ。
グレインフリーも飼い主さんの考え方やこだわりで選んでみると良いです。
まとめ:ドッグフード選びは原材料と成分表をよく見るべし
今回の記事の内容をまとめると・・・
チェック
- ドッグフードを選ぶときは原材料と成分表示(成分分析表)の2点を見る
粗たんぱく質と粗脂肪の量に注目
- 原材料の書き始めから3つ目までに動物性タンパク質が入っているものを選ぶ
原材料表示をごまかしていることがあるので注意
- 合成添加物が入っていないドッグフードがオススメ
- 穀物アレルギーをもっていればグレイン・グルテンフリーを選んであげる
ドッグフードの選び方について解説しましたが、選んだ後はその子にフードが合っているか観察が必要です。
毛並みやうんちの形、食いつきなどを見て最終的にその子に合っているフードなのか判断していきましょう。
[st-kaiwa1]最後にAAFCO2016の基準表も載せておきます。
AAFCO 2016 基準表
粗たんぱく質の最低必要量
成長期(〜1歳)22.5%以上
維持期(1〜6歳)18%以上
粗脂肪の最低必要量
成長期(〜1歳)8.5%以上
維持期(1〜6歳)5.5%以上
※成長期は体が大きくなるので多くのたんぱく質・脂肪を必要とします。