ドッグフードのローテーションって必要ですか?
今食べているドッグフードが愛犬に合っているので変えたくないのですが・・
この記事ではこのような疑問にお答えしています。
この記事を書いた人
私はドッグフードの原材料を変えながら3ヶ月単位でフードローテーションをしています。
この記事の内容
- フードローテーションのメリット・デメリット
- フードローテーションのやり方や注意点
- 実践中のローテーション方法について
この記事では犬にとってフードローテーションが必要である理由を詳しく解説しています。
筆者が実践中のフードローテーションの方法も公開しているので、フードローテーションのやり方に不安がある飼い主さんは参考になる内容となっています。
フードローテーションは将来のためにも必要
結論からいうと、栄養バランスのとれたドッグフードを好んで食べているなら今すぐに変える必要はありません。
しかし、1種類だけ食べる続けることで食物アレルギーを発症するリスクがあるので将来のためにもフードローテーションはしたほうが良いでしょう。
フードローテーションとは
フードローテーションとは2~3種類のドッグフードを定期的に切り替えてあげることです。
例えばチキンを主原料としているドッグフードからラム(羊)を主原料にしたドッグフードに切り替えてあげる。その次はフィッシュ(魚)にしてチキンに戻すといった方法です。
目的としては食物アレルギーの予防や、食欲の維持、栄養バランスを整えるなどになります。
同じブランドの中でローテーションをしても良いですし、違うブランドで主原料を変えてもOK
フードローテーションで得られる4つのメリット
メリットは4つです。
- 食物アレルギーを予防
- 食いつきを維持
- 栄養バランスを整える
- 緊急時に対応できる
フードローテーションの目的と重複している部分ではありますが、大切なことなので解説していきます。
メリット①食物アレルギーを予防しやすい
フードローテーションは、食物アレルギーの発症を予防する有効な方法になります。
理由はアレルゲンの許容量をおさえることができます。
アレルギーをコップと水を例にして説明します。
コップはその犬のもつアレルギー許容量で水はアレルギー物質(アレルゲン)だとします。コップに水を注ぎ、水があふれるとアレルギーを発症します。
左のコップは同じ食材(チキン)を食べ続けているので1つのコップに水(アレルゲン)がたまっています。
しかし、右のコップはフードローテーションをしているので複数のコップに水(アレルゲン)がたまっています。
分散されているので溜まるスピードが違いますね
- フードローテーションなし:水がたまりやすい
- フードローテーションあり:水がたまりにくい
これがフードローテーションをすることでアレルギーの予防になるといった理由です。
コップの大きさや形は犬それぞれで異なるので、同じものを食べ続けてもアレルギーを発症しない場合もあります。
メリット②食いつきを維持する
いつもと同じ風味、味では飽きてしまうので、味を定期的に変えてやることで食いつきを維持することができます。
定期的にごはんが替わると愛犬の食べる意欲が高まりますし、いつもと違う香りで食事に興味を示します。
食いつきに悩んでいるいるのであればフードローテーションは有効な方法になります。
体験談ですが、愛犬にヒルズを1年間与え続けていたとき、食べないことや残してしまうことが多々ありました。
フードローテーションをするようになってからは、そんなことはなくなりましたよ。
関連記事:ドッグフードを食べない悩みを解決!専門家が教える5つのアレンジ方法
メリット③栄養バランスの偏りを防ぐ
1つのドッグフードを食べ続けると栄養が偏ってしまいます。
フードローテーションにより、いろんな栄養素をバランスよく摂取することができます。
例えばアカナ。ブランドは一緒でも種類が違うと成分値や原材料も違ってきます。
保証成分値 | ライト&フィットレシピ | パシフィカドッグ |
---|---|---|
粗たんぱく質 | 35%以上 | 35%以上 |
脂肪分 | 11%以上 | 17%以上 |
粗灰分 | 7%以下 | 7%以下 |
粗繊維 | 8%以下 | 6%以下 |
カルシウム/リン | 1.7%/1.1%以上 | 1.3%/1.0%以上 |
オメガ6/オメガ3 | 2.2.%/0.9%以上 | 2.0.%/2.0%以上 |
DHA/EPA | 0.3%/0.3%以上 | 0.9%/0.7%以上 |
- ライト&フィットの原材料
- 新鮮鶏肉(20.5%)、乾燥鶏肉(20%)、丸ごと赤レンズ豆、丸ごとグリーンピース、エンドウ豆繊維、新鮮鶏内臓(レバー、心臓)(5%)、乾燥七面鳥肉(5%)、乾燥ニシン(4%)、卵(4%)、生カレイ(4%)、丸ごとヒヨコ豆、丸ごと緑レンズ豆、丸ごとイエローピース、エンドウ豆スターチ、鶏脂肪(1%)、フィッシュオイル(1%)、生七面鳥レバー(0.5%)、塩、乾燥ケルプ、新鮮丸ごとカボチャ、新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ、新鮮丸ごとニンジン、新鮮丸ごとリンゴ、新鮮丸ごと洋梨、新鮮丸ごとズッキーニ、乾燥チコリールート、新鮮ケール、新鮮ホウレン草、新鮮カブラ菜、新鮮ビートの葉、新鮮丸ごとクランベリー、新鮮丸ごとブルーベリー、新鮮丸ごとサスカトゥーンベリー、ターメリック、オオアザミ、ゴボウ、ラベンダー、マシュマロルート、ローズヒップ
- パシフィカ ドッグの原材料
- 生の丸ごとニシン (14%), 生の丸ごとサバ (11%), 生カレイ (9%), 乾燥ニシン (7%), 乾燥サバ (7%), 乾燥アオギス (7%), 丸ごとグリーンピース, 丸ごと赤レンズ豆, 丸ごとヒヨコ豆, 丸ごと緑レンズ豆, フィッシュオイル (6%), 生の丸ごとヘイク (4.5%), 生の丸ごとメバル (4.5%), 丸ごとピント豆, 丸ごとイエローピース, エンドウ豆スターチ, ヒマワリオイル, レンズ豆繊維, 乾燥ケルプ, フリーズドライタラ・タラレバー, 新鮮丸ごとカボチャ, 新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ, 新鮮丸ごとニンジン, 新鮮丸ごとリンゴ, 新鮮丸ごと洋梨, 新鮮丸ごとズッキーニ, 乾燥チコリールート, 新鮮ケール, 新鮮ホウレン草, 新鮮カブラ菜, 新鮮ビートの葉, 丸ごとクランベリー, 丸ごとブルーベリー, 丸ごとサスカトゥーンベリー, ターメリック, オオアザミ, ゴボウ, ラベンダー, マシュマロルート, ローズヒップ
原材料や成分値が違うので栄養の偏りを防ぎ、健康な状態を維持することができます。
メリット④もしもの時のために
ドッグフードの欠品があれば他のドッグフードに切り替えないといけません。
海外産のドッグフードは、近年の海外の情勢によりドッグフードの価格上昇や輸入の不安定さで、商品の欠品や入荷未定を目にするようになりました。
また災害時などは、いつものドッグフードが食べれないこともあるので、複数のドッグフードに慣れておくのも重要になります。
愛犬に合ったドッグフードをいくつか知っておくと安心ですよ
フードローテーションを行う4つのデメリット
フードローテーションをするときのデメリットは4つです。
- 消化器に負担がかかる
- アレルギーになったら原因の特定が難しい
- 切り替えに時間と手間がかかる
- お金がかかる
デメリット①消化器に負担がかかる
同じドッグフードを食べつづけることで、腸内環境や消化機能がそのドッグフードに慣れていきます。
急に新しいドッグフードに切り替えると、消化器は慣れていないので消化不良によって下痢や軟便になりやすくなります。
お腹の弱い犬はドッグフードの切り替えに注意が必要。
デメリット②切り替えに時間と手間がかかる
消化器に負担をかけないためにも新しいドッグフードへの切り替えには、1週間から10日ほどかける必要があります。
それにドッグフードの分量も少しずつ変えていかないといけないので手間がかかります。
詳しい切り替えの方法はフードローテーションを行うときの注意点で解説しています。
デメリット③アレルギーになった場合、原因の特定が難しい
1週間や1ヶ月という短期間でのフードローテーションはやめましょう。アレルギーになった場合、原因の特定が難しいです。
アレルギーは以下のような症状が現れます。
皮膚症状 | かゆみ、赤み、発疹、フケ、脱毛 |
消化器症状 | 下痢、嘔吐、便秘 |
呼吸器症状 | くしゃみ、鼻水、咳 |
全身症状 | 脱力、倦怠感、食欲不振 |
初めて与えるドッグフードは3ヶ月から6ヶ月程度与えて様子を見ることをおすすめします。
デメリット④お金がかかる
フードローテーションでは、複数のフードを購入する必要があります。
そのため、単一のフードを与える場合に比べてコストがかかる可能性があります
フードローテーションのやり方:原材料・原産国・季節別
フードローテーションのやり方は主に3つです。
- 原材料別にローテーション
- 原産国別にローテーション
- 季節ごとにローテーション
筆者のおすすめは①の原材料別にローテーションです。
1番オーソドックスでフードローテーションの目的に合っています。
①原材料(たんぱく源)別にローテーションするやり方
メインのタンパク質を定期的に変えます。
今食べているドッグフードがチキンであれば次はビーフやラムにしたり肉が続けば魚にしたりとタンパク源を変えていきます。
同じタンパク源を取り続けないことでアレルギーになるリスクを低くします。
以下はよく使われる主原料になります。
鶏 | チキン/ターキー/ダック |
牛 | ビーフ |
羊 | ラム/マトン |
鹿 | ベニソン |
馬 | ホース |
魚 | サーモン/白身魚/マグロ |
②原産国別にローテーション
ドッグフードの原産国別にローテーションしていきます。
アメリカ産をつかったら次はカナダ産→ニュージーランド産→またアメリカ・・こんなふうに変えていきます。
国によって食品に対する規制や法律、原料の内容にも違いが出てくるので、それぞれの国のドッグフードの特性を活かしたバランスの良い栄養摂取が可能となります。
各国のドッグフードに対しての特徴は以下になります。
- ニュージーランド
- 農業先進国で家畜の飼育環境は世界トップクラス。150年間家畜の疫病を一度も発生させておらず、政府による管理基準が厳格で、農作物の品質の高さや信頼性が高い
- オーストラリア
- 家畜が放牧されて育つ畜産大国。検疫がとても厳しくBSEや口蹄疫などの疫病を発生させていない。安全性が高い。
- イギリス
- 犬をペットとしてではなく家族、生涯のパートナーとして認識している。ペットフードに対する規制が厳しく、厳しい基準を満たしたフードのみが販売。安全性は高い。
- ドイツ
- 原材料は人が食べれる基準のものを使うという安全基準がある。ドッグフードに合成添加物、遺伝子組換えの食材を使用しない。品質と安全性にこだわったドッグフードが多い。
- カナダ
- ドッグフードの原材料や製造工程に関する厳しい基準がある。基準を満たした質の高いフードのみ販売
- アメリカ
- ドッグフードの市場規模が世界最大。ドッグフードの種類が豊富で、価格帯も幅広い。愛犬のライフステージに合わせて選びやすい。
- 日本
- 近年、品質や安全性の向上が進んでいる。国産食材を使用したフードも増えてきている。
日本以外はペット先進国です。
犬は家族でありパートナーという認識なので、食に対しての意識も高くドッグフードの質も高くなります。
③季節に合わせてローテーション
春夏秋冬で食いつきが良くなったり悪くなったりすることがあります。
季節 | 犬の特徴 | 選びたいドッグフード |
---|---|---|
春 | 換毛期 朝晩の冷え込みで胃腸が弱りやすい | 高品質で高タンパク |
夏 | 暑さで夏バテ気味 食欲低下 胃腸も弱りやすい | 少量でカロリーが得られる 高カロリーフード |
秋 | 換毛期 | 高品質で高タンパク |
冬 | 食欲が増える 体温を保つためにカロリーを多く必要 | 室内犬:中タンパク・中脂肪のフード 外飼:高タンパク・高脂肪のフード |
あくまでも一例です。
愛犬の体型や便の状態、体の調子を見ながらフードを選んでいくことが重要です。
フードローテーションをするときの2つの注意点
実際にフードローテーションをする場合に気をつけてほしいことが2つあります。
- 急にドッグフードを変更しない
- ローテーションの期間は3ヶ月以上
注意点①:急にドッグフードを変更しない
フードローテーションをする場合は、1週間から10日を目安に新しいフードに切り替えていきましょう。
急に変更すると腸内環境のバランスが崩れ下痢や軟便になってしまうことがあります。
以下のように切り替えます。
0日 | 10:0 |
1~3日 | 30:70 |
4~6日 | 50:50 |
7~9日 | 70:30 |
10日 | 0:10 |
お腹の強い子は切り替えの期間を1週間程度に短くしても良いです。
注意点②ローテーションの期間は3ヶ月以上
ドッグフードはだいたい3ヶ月以上で切り替えましょう。
3ヶ月以上食べることでその子の体に合っているか判断ができるのですが、3ヶ月未満だと判断できません。
判断のポイント
- 毛並みのパサつき
- 便の状態
- 元気の良さ(活動量)
3ヶ月以上であればその子に合っているかどうか判断ができます。
ローテーションの期間は3ヶ月以上であればその子の特徴に合わせて決めてください。
- 食べ飽きやすい犬:3ヶ月ごと
- お腹が弱い犬:6ヶ月ごと
みたいな感じで切り替えていきましょう。
切り替えて1週間以上下痢をする、嘔吐をする場合はドッグフードがあっていないので、すぐに違うものに切り替えましょう。
筆者がするフードローテーションの方法
私はいろんなブランドのドッグフードを原材料を変えながら3ヶ月単位でフードローテーションをしています。
メインの原材料はチキンとフィッシュを軸にラムやターキーなど主原料を変えながら、気になるドッグフードがあればローテーションに組み込みます。
3~4種類をローテーションしていて今は安心犬活・アカナ・カナガン軸にしています。
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フードローテーションについてのQ&A
まとめ:よく食べるフードを軸にフードローテーションをしよう。
この記事では犬にとってフードローテーションが必要である理由を詳しく解説しました。
個人的には愛犬の健康を維持していくことや毎日の食事をハッピーにするためにもフードローテーションは必要だと考えております。
今食べているドッグフードが愛犬に合っているのであれば今すぐに変える必要はありませんが、今後フードローテーションをしていくのであれば以下の2点に気をつけましょう。
- 1つのドッグフードは3ヶ月以上与える
- いきなり切り替えをしない
ローテーションのやり方としては主な原材料を変えていく方法をおすすめしています。
筆者は安心犬活・アカナ・カナガンをローテーションの軸としています。
愛犬の健康のためにもフードローテーションはおすすめですよ。